エドミヤ

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『カーテン』

小学生の放課後は暇だ。宿題は簡単なものだし、厳しい部活動もない。やることは特になく、友人と遊ぶことが主な活動だ。今日は「家に行きたい」と友人が言うから、自宅に招待した。そして友人がやりたいと言う隠れんぼをすることになった。

ここまでが先ほどの出来事だ。ここで夢だと気づいた。本当の自分は既に社会人として働いていたことを思い出したのだ。かつての幼い自分の姿に違和感を感じ、違和感の正体に気がついた。
 
珍しい機会だと思い、せっかいのこの夢を楽しむことにした。友人が隠れてからしばらく数を数え、家のどこかにいる友人を探し始めた。

ある一室の扉を開けた時だ。カーテンが膨らんでいる様子に気がついた。まるでカーテンの裏に誰かが隠れているような光景だった。

案外早く見つかったなと思い、カーテンを開こうとした。すると、後ろからドタドタドタと慌ただしい足音が消こえた。振り返ると、足音の正体は亡き母だった。かつての若い姿をした母が、恐ろしい目つきで自分を睨みつけた。
「あんた!!こんなとこで何してるの⁉︎」
大声で叫んだ。思わず肩がすくんだ。
「ここはあんたが居て良いとこじゃないのよ!!速く帰りなさい!!」
鬼気迫る顔をした母に詰め寄られる。手を振り上げられ、ばちんと強く頬を叩かれた。予想していなかった衝撃を受けて思わず目を固くつぶった。

その瞬間、カーテンの方からノイズがかった気持ち悪い声が聞こえた。
「残念、あともう少しだったのに」

10/11/2024, 4:59:48 PM