じょり、じょり、じょり。
タオルを掛けて暗くした籠の中から嘴を擦り合わせる音が聞こえて来る。
やっと寝てくれたか。
誰もいない静かな部屋の中で一人で待っていてくれたのだから、部屋に居る時くらい一緒に遊んであげなきゃって思うけど、ホント、手のかかる鳥様だこと。
ううん、違う。
構ってもらっているのは私の方。
分かっている。
あの子の優しさに甘えているだけ。
今日も上手くいかなかったことバレバレだったかなぁ。
ああ、明日も早いし私も寝なきゃ。
おやすみ。
故郷から逃げ出したこの街で私達は生きていく。
一人と一羽の小さな家族。
ここから始めるんだ。
3/2/2024, 2:50:57 PM