ふと気がつくといつも夢の中に彼がいる。
彼に会うとき、時々夢で雨が降っている。そんなときに彼は決まって動作ひとつで雨雲を散らして、にこと笑いかけてくれる。
<ありがとう>
<僕は夢の世界のかみさまだからね>
そう話して空を見ていると、いつのまにか彼は消えている。もしくは、私が別の夢に移動しているのやもしれない。
夢鬼という、夢の中を行き来できる鬼がいる。
私は、彼が「それ」なのではないかと考える。
いつか現実で巡り会えるだろうか。
がんばったね、と言ってもらえるだろうか。
10/3/2024, 10:34:50 AM