身体中を這う呪い
望まれる傀儡に、底無しの闇を孕む人形に
ささめく鱗翅は耳障り
冷えた灯火が震えて叫ぶ
音も無く吐き出す渇望
花曇、迷えど消えぬ影一つ
故に、ただ生きたいと
水面に揺らぐ陽光と、空を舞い散る淡い春
縁側に並んで座り、他愛の無い話で転げて笑った
暮れなずむ木漏れ日の記憶
ひとひらの少女が消えてしまわないように
掴んだ指先から溢れて燃え上がる
あなたが選んだ剣の形
天秤を叩き壊した手でただ一人、私の手を取る
焼き払う夢の後先に
小さな苗が出づるでしょう
無垢なる徒名草
例え私に明日がなくとも
曙に見た薄紅の吹雪を、あなたと共に
(桜)
4/4/2025, 10:59:28 AM