霜月 朔(創作)

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わぁ!



人の憎悪が黒く渦巻く、
この世の中で、
必死に生きてきて。

柔らかな心は、
石のように冷たく固まり、
感情の泉は、
枯れた井戸のように涸れ果て。

私は、今日も、
まるで人形のように、
何も映さぬ冷めた眼で、
世間を見つめます。

春の色鮮やかな花々にも、
夏の蒼い空に浮かぶ白い雲にも、
秋の紅く染まる木々にも、
冬の粉雪舞う街の景色にも、
最早、心は微塵も震えず、
ただ 日々を生きるのみ。

貴方の様に、
わぁ!
…だなんて、
ときめきに心を弾ませ、
素直に喜ぶことが出来たなら、
どれほど、幸せでしょうか。

どうか貴方は。
この黒く醜い、
悪意溢れる世界に、
その輝く瞳と柔らかな心を、
奪われることのないように。

煌めく満天の星の美しさに、
眼を輝かせている、
貴方の背中を見つめ、
私はそっと祈るのです。


1/27/2025, 6:32:20 AM