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中学校の夏休み、今日は部活で学校に来ている。
バレー部、卓球部、バスケ部は体育館で、
陸部、テニス部は外でやっている。
僕は陸部、僕が好きな人はバレー部で、なんとも運が悪い。
夏は暑いけど、上にある、なんとも言えない青空が、僕は好きだ。
あの空を見ていたら、暑いはずの夏だって、涼しく感じる。この景色をあの人と一緒に見られれば、どんなに幸せだろうといつも思う。
涼しくて、なんだか快くて、憂鬱な気分になる。

それから一年後、僕は中学3年で今年でこの学校とも最後だ。まだあの子には気持ちを伝えていない。
今日も土曜の練習で学校に来ている。
「おつかれっ。」
練習の合間の休憩で、僕が校内にある水飲み場で
水を飲んでいたら。あの子が話しかけてきた。
「そっちも。おつかれ。」
僕は元気よく返した。
彼女はとても明るい性格の子で、褐色肌がとても似合う美人だった。
「この後 ひま?」
なんでそんな事を聞いてくるのかと思いつつ、僕は「暇」と返事をした。
「今日みんなで海いくんだけど一緒に海行かない?」
まじかっっ
僕は嬉しくてたまらなかった。
もちろん行けると返事をした。
そして部活が終わり午後に約束どおり海に行った。
そしてみんなで海で楽しみ、あっという間に時間が過ぎていた。
「みんなが泳いでいるなか、僕は疲れて砂浜で休憩していた。」
「疲れたねっ」
あの子も隣に来て休憩をした。
彼女と僕は空をみていた。

あぁこれだ。
僕がずっと夢見てたこと、
彼女とあのきれいな空を見ること。
憂鬱な気持ちになれる空をみること。
付き合う何てことはまだ叶ってないけど、
一緒に見れるだけで幸せ、

「綺麗だね~、あの空を見てたらなんか落ち着く
わたしね、君とこの空を見たいってずっと思っていたの。」
彼女が笑顔で言っていた。
あぁ彼女も想っていてくれていたんだ。
僕は嬉しかった。
「僕もだよ。」
そう言って彼女の手をとり、一緒に空を見上げていた。


物憂げな空

2/25/2023, 12:41:42 PM