「見苦しいぜ。そういうの。」
左頬がじんじんと熱を帯びた。
暴力か。お前らしくない。
いや違うな。これこそがお前だ。
何年もかけてようやっと行動に移せるようになったのだな。よかったじゃないか。
「いい歳こいたおっさんが嫉妬だのプライドだの。」
いつまでもいつまでも心の中にしまいこんで
ついには捨て方がわからなくなった。
「いい加減あきらめろ。」
私を嫌いになってくれ。頼む。
「…謝るな。」
その顔に私は弱い。
だからお前を捨てられない。
いっそお前が捨ててくれ。
毒も薬も飲めない私を
君が捨ててくれ。
いつまで捨てられないもの
8/18/2024, 10:23:59 AM