霧夜

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「もう終わりにしよう。こんな関係」

俺といるより、他のやつと居たほうが間違いなくこいつは幸せになれる。
それだったら、俺から別れを切り出せば、こいつも離れやすいと思ったんだ。

「じゃあ、なんでお前は……」

俺は下げていた視線を上げ、彼の姿を見た瞬間、俺自身の時間が止まったかのように体が固まってしまった。
彼は大粒の涙を流しながら、こちらを睨みつけていたのだ。

「なんでお前が…ッ……そんな…そんな辛そうな顔、するんだよッ…!!!」

言葉を告げた俺もまた、涙をボロボロと流しながら、顔を歪めていたことなんて、俺自身知る由もなかった。

7/16/2023, 5:43:31 AM