貴方は私にとって────
私と彼とが結婚した。
彼の家はお金持ちで、生活には不自由しなかった。
欲しいものは何でも手に入れることが出来た。
そんなとき、私は貴方と出会った。
私は駄目だと分かっていたのに…
私には彼が居るのに──
そんな目で見詰められると、私は手を出す他
無かった。
嗚呼、私、最低だ……。
家に帰った。
私は何時ものように、「ただいま」と彼に言う。
「おかえり」と笑顔で返してくれる彼。
何時までこのことを隠し通せるか…
彼の前を通り過ぎたとき「…ねぇ、」
時は直ぐに来た。
バレてしまったのだ。
マズイ……どうしたらいいのだろうか…
でも、ここは正直に言うしかない…。
「ごめんなさい、私
犬を買ってしまったの…。」
彼は溜息をついた。
「僕が犬アレルギーであることを忘れていたのか?」
そう、彼は犬アレルギーだったのだ───
3/23/2024, 5:11:02 PM