こかぴ

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心に決めた人がいた。

彼と私は、赤ちゃんの頃から一緒にいた幼馴染。
幼い頃は大きくなったら結婚しよーなんて約束もした仲だ。

だが、彼は私たちが小学3年生の頃に転校してしまった。

「必ず、迎えに来るから」

そう約束して、彼は遠くへ引っ越して行った。
ある時までは手紙や年賀状でやり取りしていたが、いつの間にか連絡を取り合うこともなくなってしまった。

彼は私のことも忘れてしまっただろう。
そう思いながら日々を過ごしていた。

高校生になって彼氏を作ってみたりして。
でもやっぱり幼馴染のことが忘れられず、長続きはしなかった。

大学進学をきっかけに、私は上京した。

新しい環境での新生活。
私はいつしか彼のことを忘れてしまっていた。

毎日勉強して、バイトして、友達と遊んで、時が来てからは就活して…
お陰で、いい就職先も見つかった。

忙しくも充実した大学生活は一瞬で終わったように感じた。
卒業式の帰り、駅に向かって歩いていると、懐かしい姿が見えた。

「迎えに来たよ、卒業おめでとう」

そういう彼の手には大きな花束。

「もう…遅いよ…」

私は泣いていたと思う。
私の心は、やっぱり彼のことを忘れられずにいたんだ。

私と彼は手を繋いで駅のホームへ向かった。



「My Heart」

3/27/2024, 11:04:27 AM