結局毎日、いくつもの箱を開けている。
隣のクラスの本堂に会いに行く時。岸先生に質問しに行く時。隣の家の人とすれ違う時。大親友と呼んでいるなーちゃんと話す時。人として終わってるチヤ君に揶揄われた時。
毎日いつもいつでも完璧に演じ切る。
気前が良くてとにかく面白い女、敬語で慕ってくれるしっかり者な生徒、爽やかな隣人、誰にもバレたことのない優しさの塊人間、ぱっと突き放すような冷徹なクラスメイト。
間違ったことも言うし、失敗だってする。
全部演じてる。
心の中では「ああ、傷付くんだろうな」と思っていても、そういう不完全さは時に完璧というのだ。
「やっぱこいつ嫌いだわ」と思われていても仕方ない。そういう人間らしさを上回る素敵なものがあるんだからしょうがない。これ、結局は許せちゃうからな。
『私』がいないとどうせ楽しく無いんでしょう。
不完全は完璧。
完全では無くとも、完璧はそれを許してくれる。
開いた箱に明日の『私』を詰め込んで、深夜1時、布団に潜り込む。
そしてスマホを開いて。
多分寝たのは朝の3時。
2025.10.25.「秘密の箱」
仮面よりも深い、心すらも入れ替えようとするのに適した箱。
誰しも裏があるのは仕方ない。それで傷付くのも仕方ない。
人間を美化し過ぎちゃ人生生きづらいぜ。
結局のところ、人間の嫌なところも含めて愛すしか無い。
愛そうとするとかえって疲れるから、ちゃんと愛おしいと思うようにな。
それで辛くなった時は思いっきりここに書き残そっ。
ね。
10/25/2025, 1:38:05 AM