kiliu yoa

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光沢のある白いシャツに、紺色の小紋柄のネクタイ、

紺色の襟なしのベストの上には、紺色の無地のジャケット。

髪型は、上品なオールバック。

色白い端正な顔立ち、青年だった。


私が齢十八頃、親の薦めで半ば強引にお見合いをさせられた。

相手の家は、私の家よりも高貴な家格と血筋を持つ家で、

正直、私の家とは不釣り合いの見合いの席だった。

「很高兴见到你,我叫蔡 礼静。
(初めまして、ツァイ・リージンと申します。)」

彼は、澄んだ声で静かに名乗った。

こんなに穏やかな声の男性は初めてで、私は内心とても驚いていた。

そして、同時に『ああ、この人は本当に優しい人なのだな。』と、直感した。

「我也很高兴见到你,我叫胡 思涵。
(こちらこそ、初めまして、フー・スーハンと申します。)」

この方に自然と合わせて、私は優しい声で名乗った。

途切れ、途切れの会話ではあったけれど、彼との会話は心地良かった。

私は漢詩が好きだと言うと、彼も漢詩が好きだと教えてくれた。

流れで、庭園に咲いていた梅の花で、互いに漢詩を詠んだ。

彼は、私の詠んだ漢詩を絶賛してくれて、本当に嬉しかった。

この時、初めて漢詩が得意で良かったと思えた。


その後、彼との見合い話は順調に進み、今は彼と夫婦となった。

今でも彼は昔と変わらず、優しく穏やかで静かでありながら、

今では、揺るがぬ軸が在るように思う。

そんな夫のことが、堪らなく愛おしい。

いつも、ありがとう。そして、あなたを誰よりも愛しているわ。

                       あなたを愛する妻より














7/23/2024, 3:52:13 PM