真夜中、世界は昼間とは別の顔をする。
月の輝く深夜0時。白い夜を照らす光は天頂に達し、ひとり歩く僕を照らす。僕は明かりを持たずに歩く。
目的地は静かな丘。さわさわと葉ずれの音がする。こんな夜は妖精にでも出会えそうだ。妖精の宴はミッドサマーナイト、夏至の夜中だったかな。残念ながら夏至には少し遠い。夜の空気は冷たくはないが、日中を忘れるくらいには涼しい。
丘の小径で僕はオカリナを吹く。
家ではうるさいと言われて練習出来ないし、僕の音楽を好む性格にも、親兄弟は否定的だ。もっと快活に動き回れと干渉してくる。僕は静かな丘でオカリナを吹いているこの時間が大好きなのに。
息を潜めて小動物が聞いてくれる中、僕は一曲吹き終えて、頭を下げた。
【ミッドナイト】
1/26/2026, 10:58:06 AM