こんな時、私はどうしたらいいのか分からない。
周りは騒々しく、所々で叫び声と呻き声で聞こえる。轟々と燃える炎はもうそこまで迫ってきていて、肌がチリチリと焼ける匂いがした。
あーあ。貴方に褒めてもらった白い肌なのに。
酸素不足で回らない頭でくだらないことを思った。
思えばいつだってそうだった。難しいこととか、辛いこととかの前で私は考えることを辞めるくせがあった。辛くて怖いのを考えることで実感するのが何よりも苦しかったから。
そんな弱虫な私の手を引いて、辛いも、怖いも、ぜーんぶ解決してくれたのが貴方だったね。
ねぇ、そうでしょ。
もうほぼ感覚がない手を貴方の頬にそえる。
「なんで私を助けてくれてたの?」
いつだって喧嘩ばかりだったのに、いざと言う時は助けてくれたね。
「貴方にとって私はなに?」
怖くて、腐れ縁だと無理やり自分の中で納得させて聞いてなかったけど、本当はどうだったのかな。
掠れる声で質問を繰り返しても、貴方は答えてくれない。
話せばいつも喧嘩していたから、質問したことなんてほぼ記憶にない。長い時間共に過ごして、お互いわかった気になっていた。分かっていることなんて、それこそほぼ無いのに。
二人の関係が崩れるのが怖かったの。私怖がりだから、貴方が解決してくれるのを待っていたの。
ごめんね、ごめんなさい。逃げてばかりでごめん。
こんな時になってようやく言葉にできるけど、
「貴方のことが大好き」
あぁ、さっさと言っておけばよかった。
返事の無い告白ほど虚しいものはないだって今知った。
大好き、好き。本当に、世界で1番、大好き。
でも分からない、知らないの。貴方は私のことが好きだったのか。私は貴方のタイプだったのか。このお出かけで貴方が私に何を伝えようとしたのか。なぜ、落ちてくる瓦礫から庇ってくれたのか。
「あぁ、もっともっと沢山知りたいことがあるのになぁ」
悔しい、辛い。今更後悔したって遅いのに。燃え盛る火の中、私はそう考えずにはいられなかった。
3/12/2026, 12:28:04 PM