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街行く人々の服が原色系の明るい色からくすみ系の落ち着いた色へと変化し、
木を彩る葉の色が赤や黄色に変化していく。

秋だ。

「もー、何やってんの?今日は私の大好きな秋刀魚と炊き込みご飯にするんだから!早く帰ろ!」
くるりとロングスカートを翻し、軽い足取りで私の先を行く彼女はまるで踊っているかのようで。
「…あ、紅葉。」
私の持っていた買い物袋の中に舞い降りた一枚の紅葉も、落ちて来る様はまるでくるくると踊っているようだった。

「はーやーくー!」
「はいはい。」

紅く色付いた紅葉と、彼女の紅いロングスカート。
私の視界でひらひらくるくると、踊るように舞っていた。


『踊るように』

9/7/2023, 12:22:17 PM