無音

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【218,お題:たった1つの希望】

終わった...これはもう完全に終わった


温かな光が窓から差し込んでいる
鳥のさえずりに、青く広がる清々しいまでに澄んだ空

云うまでもなく最高の目覚めだろう、そう

―――今の時間が10時半だということを除けば


「あぁあぁぁ......終わったぁぁぁ...」

完全に寝坊した、
朝起きて登校時間をとっくにすぎてた時の絶望感って計り知れないよな...

これはもう諦めるしか...潔く怒られるか...

「いや...待てよ」

ふと思い着いたたった一つの希望、こういう時って謎に頭が働く気がする

「裏声使って電話するればいけんのでは...!」

思い着いたのは、母親のふりをして電話を掛けるアイデアだった
朝寝坊遅刻確定でパニックになってる脳は、どうやら正しく回ってはくれないようだ

「ははは、よぉし完璧だ...!これでどうにかやり過ごすぞ...!!」

嬉々として電話を取りに向かう

なお、数秒でバレて説教コースへ突入することになるのはこの後すぐのことであった

3/2/2024, 10:57:38 AM