Unknown

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「遠い日のぬくもり」

おばあちゃんちのこたつ。野菜たっぷりのお鍋。乾燥機がかけられたふかふかの布団。
冬になると思い出す、遠い日のぬくもり。

子供の頃、冬休みはおばあちゃんの家で過ごしたことを思い出す。実家には無かったこたつ。灯油のストーブ。田舎の古い家は隙間風が多くて、あんまりエアコンも使わないから、どの部屋もどこか寒かった。お行儀悪く肩までこたつに潜り込むともう出られなくて、一日中殆どの時間をこたつで過ごしては、逆上せていた。

もう住む人の居ないあの田舎の家は、今は潰されて更地になって売りに出されている。駅も学校もスーパーも絶妙に遠くて、少し不便な田舎の土地は中々買い手が付かないみたいで、今もまだ土地の権利はウチにあるらしい。

夏は暑くて冬は寒い。日本の四季をこれでもか、と体感させてくるあの家が、大好きだったかと言われるとそうではない。それでも、思い出の中にはいつまでもあの頃のぬくもりが残っていて、もう無くなったのかと思うと、少し寂しい気持ちになる。

冬になる度に思い出す、隙間風で寒かったあの家の、暖かいぬくもり。いつかこれも忘れてしまう日がくるのだろうけど、今はまだ心の中に大事に取って置くことにする。

12/24/2025, 3:29:24 PM