春の季節が通り過ぎていく。
今年は花見に行けなかったなぁ……なんて恋人と話していると、彼女は立ち上がった。
「行きましょう、花見!」
「え、今から!?」
もう日が落ちてきているというのに、彼女は片手をピシッと上げながら言ってくる。
「桜、まだ残ってる?」
「ありますよー、うちの会社の近くはギリ残ってます!」
彼女は両手の親指を立てる。
「少し散り始めていますが、私は散る桜もキレイだなって」
ダメですか?
と、言うように首を傾げて俺を見上げてくるんだから、ズルイよ。
君のその表情には敵わないんだからね。
俺は車の鍵を取って立ち上がる。
「案内してくれるんでしょ?」
俺の言葉に、パッと花が咲いたように微笑んでくれた。
「モチロンです。桜を見に行きましょう!」
おわり
七〇一、桜散る
4/17/2026, 12:43:08 PM