皆月いく

Open App

彼女は、いつも母親に追い出されていた。
私は、彼女の存在しない友達。どうやって生まれたのかわからないけど、気づいたら彼女のそばにいた。
なんのために生まれたのか、どうして生きているのか――そもそも、私は生きているといえるのか。
私は、わからない。ずっとわからない。
「友達」という関係は、とても都合がよすぎると思う。彼女もそう感じているようだった。
「友達」というだけで、なにかを押し付けられたり、利用して、挙句の果てに裏切ってくる。
あれを都合いい関係じゃないというなら「友達」なんていないほうがいい。
それをいうなら私と彼女の関係もかなり都合がよすぎる関係なんじゃないかと感じたりする。
私は、彼女の“何“だったんだろう。
「友達」よりも深いけど、「家族」よりも心許ない。
存在しないしない私に生きる理由があるのなら、きっと彼女にとっての生きる意味だ。
全ての答えを知ることができたら、この関係にきっと名前をつけることができるだろう。
そのときは、私は彼女のそばにいるのだろうか。
例え、別れがくるとしても、私は彼女の幸せを願うだろう。

だって、彼女と私は同じだから。

10/25/2023, 12:26:17 PM