「君は紫陽花のような人だね」
昔言われた言葉。
ずっと褒め言葉だと思っていたけれど、数年越しにとんだ思い違いだとわかった。
あれの真意は「君は八方美人のくせに、本心は絶対に誰にも見せないね」だ。
四方八方に花開いているように見せているあの花びらのようなものは、本当は萼だという。
そして皮肉を言われた花びら(誰にも見せない本心)は、萼に守られるようにして中心にある集合体のひとつひとつだ。
花言葉は『移り気』『無常』。
(無常ね。自分に振り向いてくれなかったからって、遠回しに嫌味言うかね?)
カフェの窓際の席で肘をつきぼやく。
降ってきた小雨が外の紫陽花の花々を叩く。
「きっとそういうトコが、アンタに振り向かなかった理由だわ」
青い紫陽花は静かにこちらを見ている。
/6/13『あじさい』
好きとか嫌いとか、思ってるならいいでしょ。
ライクでもラブでも関心があるわけだし。
好きも嫌いもない、どうでもいい人なら
Lの文字すらもないくらい
何の感情も動かされないの
/6/12『好き嫌い』
6/14/2023, 2:47:42 AM