気分屋の現実逃避日記

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【秋🍁】#57

気がつくと
金木犀のような甘い香りが
私の周りを風と共に流れていた。
必然であるように
私は君を探そうとした。
紅葉は昨日の水溜まりに落ち
同心円状に波を生み出して
モノクロに流れている。
後ろから肩をぽんと叩かれた。
それはあの紅葉よりもふんわりとして
優しさが伝わるまであった。
振り返ると
少し顔を傾けた笑顔の君がいて
お待たせと少し申し訳なさそうに言った。
君は私の世界で唯一の鮮やか存在であった。

9/26/2023, 10:47:28 PM