ある

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真っ白なルーズリーフに文字を躍らせて、
昔の記憶を頼りにそれを折りたたんでいく。

出来上がったものは、羽を広げて待つ心のかけらたち。

こんなにも広くて全てを吸い込んでしまいそうな青の中なら、
ちょっと不格好かもしれないそれが少し混じったところで、
まあ、些事にすぎないだろう。

手のひらから放たれた白は、
風におされて少しずつ小さくなっていくのが見えた。

ヨロヨロと飛んでいたそれはやがて輪郭も分からなくなって、
あっという間に一筋の線へと変わっていく。

青と同化していくそれを眺めながら、
私は胸のなかにすっと風が通っていくのを感じていた。

6/24/2025, 2:31:23 PM