先日の吸血鬼ドタバタ騒動から数日が経った。まぁ今もまだ奴は生きているし、騒動以前の状態に戻った日常なのだが。
オレは喫茶店でいつも頼むコーヒーを飲み、しばらく時間を潰してから屋敷へ戻るとリビングからピイピイと何かが泣く声がしていた。
まず、寒さが苦手らしく暖炉の前で転がっている吸血鬼は放っておき鳴き声の主のコウモリの元へ行く。
どうやら暖炉の火を使ってのマシュマロ焼きに失敗して苦い苦い焦げを作ってしまったようで泣いていたようだ。
泣くな泣くなと、焦がしたマシュマロをフォークから取り、新しいマシュマロを刺してコウモリに渡す。泣き止んだコウモリは暖炉にフォークを向けまたジリジリとマシュマロを焼き出した。
焦げたマシュマロは奴の口にねじ込んだ。
甘い中に苦味と塩味を感じる。大人の味だな。案外美味いじゃないか。
そう言いつつも奴は動こうとしない。
マシュマロが焼けていく甘い匂いが漂うリビングでゆったり時間が流れている。
全く、自分の使い魔が泣いているのに放置したバツで屋敷中の窓開けの罰でもくらわしてやるとするか。
(泣かないで)
この後窓開けられて寒さに泣く吸血鬼さんとまたマシュマロが焦げて泣くコウモリの大合唱が始まるご様子。
11/30/2024, 10:58:07 AM