ヤッチ

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僕が友達だと思っていても
他の人は煙たがってるかも知れない
今回はそんな人間不信な少女の物語…

7月31日
夏休み真っ盛り私は今日も大きな大きな
ため息をつく「ハァァァ」音にならない息
それは朝日と共に私に照りつけてくる…
今日は友達と…いや同級生と海に行く予定がある楽しみにはしているが嫌がられないか
心配だ朝御飯を食べて水着を持ち
母親に現地まで送ってもらう
「A娘ちゃん!!!!久し振り〜元気にしてた?」
甲高い美声とスタイルの良い女性が
近づいて来るきっと清ちゃんだろう
「清!!!!久し振り~どう?課題の調子は!!」
生々しい汚声が響く…私は胸も無いし
顔は大きい…嫌な人生だホントにホントに…
不愉快だ
清ちゃんと泳いでいるとお肉の匂いがする
良い匂い清ちゃんのお父さんがお肉を焼いてくれていたようで少々小腹が空いていたからら丁度良い2~3枚食べて清ちゃんと海に戻ったその時は何も知らなかった
私は前を泳いでいて後ろでバシャバシャ聞こえる清ちゃんの笑い声も…
ふと後ろを振り返ると清ちゃんの姿はなかった それ以外の人達の姿も
あるのは怒り果てたライフセーバーさんと
遊泳禁止の看板だった私は何をしていたのだろう…さっきまで楽しく泳いでいた筈なのに
今は絶望と恐怖が押し寄せてくる
足を引っ張られる感覚…嫌な感じがした
「ハハッ…アハハハハAコチャン♡アソボアソボウヨ♪」
そこには変わり果てた清ちゃんの姿…
目玉はくり抜かれ真っ青な肌シワシワの顔
それはまるで友情に取り憑かれた化け物だった… その時ライフセーバーさんが救けてくれた「そこの女の子大丈夫かい!!?」
清ちゃんは奇声をあげている
「ねぇなんで!!?なんでそっちに行くの!!!!?私が嫌い?私はこんなにもあなたが大好きなのに…」それは先程の遊びに誘う片言な言葉ではなく流暢な日本語だった
8月1日
学校に行くと皆が心配してくれた
でもそこには清ちゃんの名簿も席も無かった
置かれてたのは一輪の鈴蘭だけ
私は友情という言葉が嫌いだ…

友情

7/24/2023, 12:13:00 PM