最初から決まってた、ここに変な毛が生えてるってことは。
頭のつむじを原点としてみれば、(3,2)に生えている。
何って、座標だよ座標。xy軸とか、習っただろ。
他の毛は直毛で生えてくるってのに、この毛だけは芸術的だ。
お坊さんの手首にあるものを想像してほしい。
あるいは、ビーズが連なったものでもいい。
触りごこちは、ざらざら。
指先で挟めば、多種多様な凹凸を感じられる。
たぶん毛穴の構造がぐちゃぐちゃなんだろうな。
まだ毛の材質が柔らかいときに毛穴を通ってきてしまって、天然パーマみたく、ぐちゃぐちゃになっている。
僕は正直、ずっと触っていたいという気持ちと、さっさと抜いてしまえの気持ちがヤクザの抗争のように敵対関係にあって、後者の勝ち逃げとなっている。
それで、家で気づけばいいのだが、こんな芸術的毛髪に出会うときに限って外なんだ。
流石に取っておくって愚考、難しい。
だから、名残惜しい感じでゴミ箱に向かうのだ。
その間も、指いじりをするように凹凸感を楽しんで、そして素知らぬ顔で捨ててしまう。
人生にも「最初から決まってた」みたいなものはあるだろう。この毛穴みたいな人生を辿っていても、僕は、そう思える年代にいません。
だって、ぐにゃぐにゃしたいから!
僕は、こんにゃくさんだぞ〜。
まいったか、まいったか!
8/8/2024, 9:47:55 AM