卒業旅行で行ったベトナムでの散々な思い出。レストランで何気なく出された水を飲んで少し経つとお腹がぐるぐると高速回転して気持ち悪くなったので、お楽しみの夜はこれからというタイミングで皆と別れて独りでホテルに直行することになった。
ホテルのあるホーチミンでは路上に巨大なゴミ箱がありその上に大量のゴミがむき出しで雑に積み上げられている。そして昼夜問わず大量のバイクがイナゴのように群れとんでもない量の排気ガスを湿っぽい街へまき散らしている。
高温多湿に前が霞む排気ガスと強烈なゴミ臭。そこへ路上で売られたドリアンも加わりマスクを貫通し鼻が崩壊した。しかもどこもかしこも夜市が開かれ常に人混みの中にしかいれずなかなかホテルまでたどり着けない。
気が虚ろになりながらもなんとか隙間を縫うように歩いていくと目の前になんの病気があるかわからない野犬がいきなり現れたりして泣きそうになった。卒業の記念になんでお金を払って苦手な犬と遭遇しなきゃいけないんだろう。
それからは犬という即死トラップに怯えてつつ地道に歩いていった。今日なんとか寝て回復すれば明日の朝にはこの国から脱出できる。今日さえ乗り越えればなんとかなる。その思いで必死に汚くなったサンダルをさらに酷使した。
しばらくすると少し先にホテルが見えてきた。目標を前に吐き気も鼻水も止まらない。流れる汗も足も止まらない。今日だけ、今日だけ耐えればいける。あと少しだからどうか。今だけはベトナムの知らない神にも祈る。だから、
胃腸よ鼻よ、頼むからどうか今は耐えてくれ。
………
結局ホテルから帰国までずっとゲロゲロのズビズビでした。
8/8/2024, 11:32:02 PM