Frieden

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投稿が遅れてしまったよ!!!一つの投稿に二つの文章があるなんてね!!!これが「一度に二度おいしい」ってやつだね!!!違うか!!!

4/27 「生きる意味」

今日はゴールデンウィークの始まり。にもかかわらず相変わらずやることもしたいこともない。仕方がないからテレビでもつけようか。

「せっかくの大型連休だというのにキミは旅行に行ったり新しいことを始めたりしないのかい?!!まあキミらしいっちゃキミらしいか!!!で、朝ごはんは何が食べたいんだい?!!」

……それじゃあ、ゴールデンウィークらしいものが食べたい。

「ゴールデンウィークらしいもの?!!またまた難解なリクエストだねぇ!!!わかったよ!!!ボクはすんばらしいマッドサイエンティストだからね!!!どんなリクエストにだってお応えしちゃうよ!!!」

そう言ってあいつは冷蔵庫を漁る。何を作るつもりなんだろうか。
「何ができるかは作り終わってからのお楽しみさ!!!できるまでちょっと待っててね!!!」

了解。待っている間は手持ち無沙汰なのでつけたテレビに目をやる。朝はいつもと変わらずバラエティーとワイドショーをごっちゃ混ぜにしたような番組が放送されている。

その中のコーナーで、あなたの「生きる意味」はなんですか?という町中インタビューが行われていた。「推し活」「旅行」「仕事」「勉強」「家族」……様々な答えがあった。

……自分にはそんなものはない。「生きる意味」があるひとが羨ましいと思う気持ちと、そんなものを持ったところで意味なんてないだろうという考えが混ざる。

自分の生きる意味って、いったい何だろうな。

「なーに考えているんだい???生きる意味???そんなことを考えたって無駄だよ!!!」

「だいたい、キミたちニンゲンは宇宙の副産物に過ぎないんだから……いや、言い方が悪すぎるか……。ボクはボクで宇宙を管理するという目的で存在するんだから、ある意味ボクかて宇宙の副産物みたいなものだもんね!!!」

「まあともかくボクには「宇宙を管理する」という絶対的な使命があるが、宇宙管理士のボクとしてはキミたちのような生き物には平穏に生きてほしいんだよ!!!」

「だから、そんな生きる意味なんて難しいことを考えずに、おいしい食べ物のこととか、綺麗な景色のこととか、そういう他愛もない小さな幸せのことを考えているだけで、それだけでいいんだよ!!!」

小さな幸せ、か。幸せって何なんだろうな。自分にはあまり分からない。

「何だって?!!このボクがそばにいるというのに、幸せじゃないというのかい?!!確かに「幸せ」の定義は難しいものだが、もっと普遍的なものを愛すれば、きっとキミは今よりもずーっと満たされるはずだよ!!!」

「例えば、今咲いている花々や入道雲、紅葉に雪!!!それからサンドイッチに桜餅!!!今まで出会ってきたいろいろなものの数々にもっと深く触れたらいいのさ!!!」

「そうすればきっと、キミは幸せになれるはずだ!!!」

「さて!!!ボク特製のフレンチトーストが出来上がったよ!!!ちょっとおしゃれなカフェに出かけた気分になれると思ってね!!!さぁ、出来立てを召し上がりたまえよ!!!」

……これも、小さな幸せだよな。こうやって誰かとおいしいものを食べられるのは、照れくさいけどすごく嬉しいことだ。
……ありがとう。美味しいよ。

「どうだい?!!おいしいだろう?!!作り甲斐があるってもんだよ!!!」

「さて、せっかくの休みだ!!!ツツジを見に行こうじゃないか!!!」
そうだな。いい天気だから、少しくらいは出かけようか。

腹を満たした後、自分たちは春の光に照らされながら花を見に出かけた。

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4/28 「刹那」

ここは戦場だ。国と国とのいがみ合いに巻き込まれて俺たちは戦っている。今日も敵と味方がたくさん散った。

本当はこんなことをしたくない。普通に家で畑仕事をして、時々旨いものを食べて、家族や友達と他愛もない話をして、そんな風に暮らしたいだけなのにな。

どうして、ただの国民である俺がこんなことをしなくてはいけないんだ?
……こんなことを考えたって無駄だ。ここでできることはただ一つ───敵国の人間を殲滅することのみ。

自分の平和のために、国の平和のために。ただ俺は戦い続けるんだ。
たとえこれが間違ったことだったとしても。

ただ、戦い続けるだけだ。

……はぁ、今日も疲れた。どうして何の罪もない人間の命を奪わなくてはならないのだろうか。どうして俺まで命の危機に毎日晒されなくてはならないのだろうか。
今日も疲弊したまま寝床に着く。

次の日、驚くべきニュースが飛び込んできた。
なんでも、二国間で話し合いによって問題が解決したらしい。

俺は安心した。もうこれ以上、傷つかずに、傷つけずに故郷へ帰ることが出来る。
もうこれ以上、凄惨な戦場を見なくて済む。
平和に、平穏に暮らせるんだ。

その刹那、駐屯地に火が放たれた。
火はあっという間に広がり、俺もあっという間に器官が焼かれた。
息ができない。苦しい。

なぜ、なぜなんだ。
俺はただ、平和を望んだだけなのに。

……灰になって、土に還ることしかできないのか。
家族のみんな、友達、恋人に、また会いたかったな。
薄れゆく意識の中で、ぼんやりとそんなことを考えることしかできなかった。

4/28/2024, 5:14:09 PM