若い女の子グループ。
中学生だろうか。
楽しそうに改札を抜けてきて、
「なんか、静かな駅だね。テレビで『おしゃれタウン』とか紹介されてたから、もっと人が多いのかと思った」
「おしゃれな街だからさ、あんまりゴミゴミしてないんじゃない?隠れ家的なカフェとかありそうだし」
「そっか。新宿から近いって聞いてたのに、結構かかったもんね。乗り継ぎもしたし」
「乗換案内アプリもいい加減だよねー、やっぱり、あんなのに頼るより、自分達の感覚とか知識を信じるべきだよね」
「ホントそう。テレビからの情報をチラッと耳にしただけで、ちゃんとここまで来れちゃうんだもんね。学校で皆にも自慢しちゃお」
「なんかでも、この街の雰囲気、私達のローカルな地元に似てるよね。こんなもんなのかな」
「駅を出たらきっと全然違うよ。なんてったって幡ヶ谷だもん。ほら行こ!」
元気に走って行ってしまった、少女達にそっと伝えたい。
「違う、ここじゃない。ここは鳩ヶ谷。ほらそこの柱に、たまさぶろうくんのポスターが貼ってあるじゃないか。ここは埼玉県の鳩ヶ谷。渋谷区の幡ヶ谷じゃないんだよ」
驚くことに、年間10~15件の勘違いがあるそうで、駅キャラクターのたまさぶろうくんが頑張って訴えている。
「違う、ここじゃない」「C/W:幡ヶ谷で5時(今から間に合うかな?Version)」
アプリを使う、人間の思い込みが生む悲劇。
あの子達、無事に隠れ家的なカフェに辿り着けるかな。
2/14/2025, 2:55:18 AM