小絲さなこ

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「あなたのために作るもの」

手作りのアクセサリーは、ひとつとして同じものにならない。
誰かのためにひとつひとつ作る。
それが、手作りの良いところでもあり、難しいところでもあるのだ。


パーツに黒、紫、青、白の四色のUVレジンを流し入れ、グラデーションを作っていく。
ラメやホログラムなどのパーツを配置し、硬化させる。

「────とまぁ、天の川みたいなアクセサリーの作り方は、こんな感じ。簡単だよ」
「いやいや、簡単じゃないから!」

十年来の友人に贈ったレジンアクセサリーの作り方を訊かれたので、ざっと説明したのだが、簡単じゃないのか。そうか……

「小学生の頃からビーズだのフェルトだの、色々作っていたから簡単に思えるだけじゃないの」
「そうかなぁ……ていうか、よく覚えてるね〜」

彼女とは小学生の頃からの付き合いだ。

「当たり前じゃないの。毎年、マスコットとか、アクセサリーとか作ってくれたし」
「あー……今考えると、下手なもの押し付けてたかも。ごめん」
「そんなことないって。小学生にしては上手だったと思うよ。実はまだうちにあるんだ。今度持ってくるね」
「それはやめて……」

────手のひらの宇宙

1/19/2025, 8:34:06 AM