たやは

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空が泣く

今にも泣き出しそうな空模様だ。今日は午後から雨だと朝の天気予報で言っいた。お天気お姉さんの言う通りとなった。傘を持ってきたからそんなに濡れずに帰れるだろう。でも私の気持ちは憂鬱だ。

彼女は泣いていた。
たしかにに泣いていた。

高1の頃から、彼女が東くんのことを好きなのは知っていた。なんだったら友達として応援していたのも事実だ。それなのに、東くんに告白されたは私だった。少し人見知りのところがある彼女のためになればと、東くんに事あることに話しかけたり、部活の見学に2人で行き、声援を送ったりしていたが、まさか私が告白されるとは思ってもいなかった。

どうしよう。

もちろん告白の返事は「ごめんなさい」だったが、それで彼女との友達関係が以前のままなはすがない。

どうしよう。

彼女は私が告白されたことを知っている。どうして、あの告白の場所に彼女がいたのか。魔が悪すぎる。

どうしよう。

明日、彼女に何て話しかけたらいいのか。
いや、今日のうちに何かメッセージを送っておいた方がいいか。何て送ろう。
ダメだ。考えていたら気持ちが悪くなってきた。寝てしまおう。現実逃避だ。

次の日学校へ行くと彼女の周りに何人かの女子が集まっていた。教室に入ると悪意のある視線がいくつか私に向けられていた。
これヤバイ奴か。

「よく平気な顔して学校に来れるわ。」
「仲取り持つ降りして、自分をアピールしてたとか。最悪じゃん。」

はぁ~。
まあそうなるよね。
女子の中心で彼女は泣いていた。ハラハラと大粒の涙を流しながら泣いていた。
本当の涙だと思った。そんなに好きだったのか。でも私のせいではない気もする。
仕方がない。ほとぼりが冷めるまで様子を見ながら過ごすしかない。

あれから2週間が経ったが、私の立場は良くはならなかった。体育館の裏に呼び出されることはないが、私はいわゆるボッチとなった。
ホームルームも終わり下駄箱まで来た時忘れ物に気づき教室に戻った。教室のドアに手をかけようとしたら、教室のなかっから話し声が聞こえた。

「おい。あんなことして良かったのかよ」
東くんだ。
「あんなことって何?私があの子嫌いなの知ってるでしょ。東くんが協力してくれて良かった。こんなに上手くいくなんて思ってなかった。だいたい、あの子、生意気なのよね。私たち友達なのなんて思ったこともないし、本当に嫌いなのよ」

え!
何?何の話し!

私たちは友達だった。いつも一緒にいて、お弁当を2人で食べ、いっはい話しもしたし、笑い声が絶えなかったはずだ。
彼女は私が嫌い。それ、どういうこと。
頭が回らない。意味が分からない。

「やり過ぎただろ。おまえ。あんな空泣きみたいなことまでしてさ。」

空泣き。つまり嘘泣き。あの涙は嘘泣きの涙なんだ。
私は騙された。そんなに私のこと嫌いだったのか。
高校を卒業するまであと3ヶ月くらいあるけど、彼女と前のように友達でいることも
誰か新しい友達ができることもないだろう。でも、もし何年か後に彼女に会ったらどうして私を嫌いか聞いてみたい。
彼女に今は聞く勇気がない。

また雨が降りそう天気。今にも空が泣き出しそう。空が泣く。私の心も土砂降りだ。


9/16/2024, 11:11:15 AM