「……3、2、1」
俺は、きつく目を閉じた。全身が強張る。
運命の瞬間。
タイマーが00:00を刻む……だが、衝撃は来なかった。
恐る恐る目を開けると、液晶の数字が次の数字に移行している。
-00:01
「……は?」
爆発は起きない。それどころか、電子音は規則正しく響き続けている。
-00:03
-00:04
タイマーは止まらなかった。0を何事もなかったかのように通り過ぎ、マイナスの領域へと突き進んでいく。
1分が過ぎ、1時間が過ぎ、24時間が経過した。
配線を引き抜いても、叩き壊そうとしても、赤い数字は無慈悲にマイナスを刻み続ける。
死ぬ覚悟は、いつの間にか空腹感に取って代わられていた。
一ヶ月が過ぎ、一年が過ぎた。
もはや誰も、これが爆弾だったことすら覚えていない。
ただ、赤い数字だけが虚しく減り続けている。
「……もう、いっそ爆発してくれよ」
電子音は、今日も規則正しく響き続けている。
『0からの』
2/21/2026, 1:40:27 PM