NoName

Open App

僕と一緒に

君がいなくなった。

僕との約束は、忘れたらしい。

君がいないと何もできない。
食事も喉を通らないし、眠ることもできない。
楽しさも哀しさも感じなくなった。
君といたときだけ、僕は感情を持てていた。

僕は君にとって、何だったんだろう。
結局、約束を破って勝手に消えた。
僕は君にとって大した存在じゃなかったんだろう。

君が僕を嫌っても、僕は君を好きだ。
愛している。
……いや、そんな安っぽい言葉で片付けていいのか。
君がいたから僕がいた。僕は君そのものだった。

あの約束を、君は苦笑いしながら受け入れた。
一緒にいくって、言ったくせに。

――嘘つき。

9/23/2025, 12:20:56 PM