お題:またね
私の友達は帰る時決まって言う言葉があった。それは「また明日ね」だった。
これは私が幼稚園に通っていた時の話。私はその子とすごく仲が良かった。部屋で一緒に遊んだり、外でも一緒に遊んだり、行事がある時もその子とどこかに行く時もずっと一緒に居た。元々仲が良かった訳ではなかったが、気づけばその子は1番近くにいてくれる友達だった。朝は''おはよう''から始まり帰りは''また明日ね''で終わった。そんな3年間だった。そう「だった」。
幼稚園を卒業したら次は?そう、小学校。私が通っていた幼稚園は家から30以上かかるところ。その子と小学校は違った。それどころか同じ幼稚園から同じ小学校に通う子は誰1人といなかった。それを知った時とてつもなく悲しかったのは今でも覚えている。
そして迎えた卒園式。私にとっては絶対に訪れて欲しくなかった日だ。卒園式も終わり、写真撮影が始まった。その頃には私の顔は涙でぐしゃぐしゃだった。先生との別れもすごく悲しかった。でもそれ以上にその子と別れることになってしまうのがとてつもなく嫌だった。その子とも、一緒に写真を撮った。
そしてついに来てしまったお別れの時間。その子は私にこう言った。
『またね。』
私はその言葉を聞いて喪失感をものすごく感じた。あぁ、もうこのことは会えないんだ。って、でもその子は続けて言った。
「また、いつか会おうね、またね」
その言葉がとても嬉しくて、その友達が見えなくなるまで手を振り続けた。
2025/08/06 19:58
8/6/2025, 10:58:10 AM