終わりにしたかったんだ、何もかも。
死にたいのかと問われたら別に、と答えられる。
でも、生きたいか問われたら何も言えない。
繰り返した自傷行為は、ここに自分が生きているんだという証明だった。
痛みを感じることでしか生きているという実感を得られなかった。
自分がなんなのか、なんのために生まれてきたのか分からないまま無意識にも続けてしまう呼吸は、酷く気持ち悪い。
そうやってなんとなくで粗雑に使ってきた今日は。
息をする意味なんて見いだせず、無気力を創りながらこころのなかではずっと叫び続けていた。
この毎日を終わりにしたい。
すべてどこかへ投げつけて、行き場のない感情を吐き出したい。自分というかたちを感じたい。
こうじゃない。そうじゃない。なんかちがう。
毎日がその連続だ。
つまらない。気持ち悪い。終わりを告げたい。
たとえば。
何も持っていない、ひとりの人間が。
誰にも必要とされていない、ひとりの人間が。
今消えたところで変わらずに世界は回り続けるし、いなくなったことに誰も気付かない。
だったらいっそ、終わりにしてしまおうか。
毎日を粗雑に費やすのは、終わりにしよう。
俺はすうっと息を吸い込んで、まだ見えない明日という名の今日へ一歩踏み出すのだった。
─終わりにしよう─ #3
7/15/2024, 12:33:07 PM