27(ツナ)

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「bye bye…」

公園で散歩をしていると、外国人の小さな男の子がサッカーボールを持って近づいてきた。
言葉は分からなかったが、一緒にサッカーをして遊んであげることにした。

遊んでいると、父親らしき人が迎えに来た。
「bye bye…」
なんだか少し寂しそうに手を振って、その男の子は帰って行った。

ある日、中東での戦争のニュースが報道されていた。
恐ろしい爆撃音と酷く崩壊した瓦礫の海。
悲鳴をあげ避難する国民達の中に、あの男の子らしき人物がいたような気がした。

あの時の帰り際の寂しそうな「bye bye…」が頭の中で反芻して、胸が苦しくなる。

どうか、あの子じゃありませんように。
どうか、争いなくただ幸せに生きられる世の中になりますように。

3/22/2025, 11:57:12 AM