バスの窓から流れていく景色、真っ白な雪が地面に落ちては消える。 幼い時分に手を繋いで歩いた親の手の温もりが懐かしい。思い出は温かく、記憶は遠い。 バスから降りる頃には雪が止み、雪雲の裂け目から三日月が申し訳なさげに顔を出している。 さて、思い出を振り返るのはこれで最後にしよう。振り返っても戻ってはくれないのだから。
5/27/2025, 10:56:48 PM