月影若葉

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光と濃い霧に包まれた街
人の気配が一つもない街にアンソニーは訪れていた
「ここはずいぶん神秘的な街だな〜。
前に訪れた暗い森とは違った不思議さを感じるよ。」
街の中をふらふらと彷徨う
誰もいない住宅街を少し先に進むとビルが立ち並んでいる
やはり誰もいないからか、とても静かだった
「誰もいないけど、死体が一つも落ちてないから元々住んでいた人達はこの街を捨てたのかな?
それか、この光と霧が関係してるのかな?
考えても仕方ないか。」
アンソニーは背中の黒い一対の翼を羽ばたかせて、街の上空へと飛んだ。
「霧が邪魔だな。」
アンソニーは腕を一振りし、街を覆っていた霧を払った
「やっぱり、人は一人もいないか〜。
これだけ静かだったらそりゃそうだよね」
その街で一番高いビルの屋上に降り、しばらく街を眺めていた

10/18/2025, 3:31:39 PM