日差し
眩しい。どこだここは…って、セフレの家に泊まったんだった。嗚呼、コイツの顔は本当に綺麗だな、なんで私なんかとヤッてんだろ。私名器なのかな。
あ、起きた。おはよ。うげ、キスしてくんな。朝からのキスは嫌なんだわ。…まあ、そんな事口に出さないけど。私のただ1人のセフレ、コイツにはたくさんいる中の1人だろう。恋人になりたい…夢のまた夢か。
この家に入ってくる日差しで起きたのは何回目だろう。コイツの隣で起きたのは何回目だろう。コイツの隣に居られるのは後どのくらいだろう。
ねぇ、お前彼女作んないの?てか好きな人とかいねぇの?
聞いてしまった。まあ、聞き流してくれるだろ。
いるよ、好きな人。
幸せそうな顔で答えやがった。私の気も知らないくせに。
多分両思いなんだ、確信はないけどね。
ふわっとした寝癖を直しながら言った。
ん…やめろ馬鹿。
キス魔め…誰とでもやってるだろうにドキドキしてしまう自分が嫌だ。
隣で起きて、朝からキスして…恋人みたいじゃない?
揶揄うな、揶揄うな。思わず顔を真っ赤にしてしまった。
思ってる人がいるのにそんなことするな。
私はいつも冷たく返す。彼に背を向けて。素直になれない。
ねぇ、好きだよ
本当揶揄うのが好きなんだな。彼は私の背に沿って指を動かした。
私も好き。
もう思い残すことはない。幸せになってよ。
じゃあ付き合おっか。
それからの記憶は…ある。ちゃんとあるが、恥ずかしすぎて思い出したくもない。でもまあ…正式に付き合うことになった。それだけは伝えておこう。
おはよ…やめろって。朝からのキスは嫌なんだわ。
今は言いたいことをしっかり言っている。…もちろん、好きってことも…ね。
7/2/2023, 2:28:08 PM