微熱
彼女はいつも、微熱でもあるように目が潤んでいた。ボクの手を握る指は細くて、思わず握り返すのだが、折らないように気をつけなければならない。透き通った白い肌は美しく、ずっと抱きしめて離したくないと思った。
「ねぇ、こっちに来て」と誘われて、ボクはふらふらと従った。これから起きることを想像して、胸が熱くなった。
「ここなら誰も来ないわ」そう言うと、木でできたベンチに座るように促した。ボクにとって、少し年上の彼女は魅力的で、何か言われたら従わなければならない、いや従いたいと思っている。
彼女はボクの肩に手を回して、顔を寄せて微笑んだ。あーこれが初キスになる。ボクは目を閉じた。
唇ではなく、首筋に熱い吐息を感じて、ボクはますます瞼に力を入れた。彼女が戯れで噛んたのだろう。ちょっとだけ痛かった。
目を開くと、間近に彼女の唇があったので、ボクはそれに吸い付いた。甘い甘い数秒後、彼女が言った。
「もう、あなたも私の仲間よ」
キスのせいか、微熱が出てきたような気がして、ボクは自分の額に手を当てた。
11/27/2024, 3:30:40 AM