たまちゃん

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1年後

1年後、俺は兵役の義務を果たすために国へ戻る。
国を守るという崇高な目標を掲げる部隊の末端組員として、日々散々な目に遭わされ続けるだろう。
想像にかたくない、目を背けたくなる未来像が、俺を待ち構えている。
理不尽に叱られたり、過酷な訓練で身体を壊したり、精神を病んだりするかもしれない。
それで傷つくこともあれば、トイレの個室にこもって、密かに涙する夜もきっとあるはずだ。
1年後の今日が、まさにそういう日になるかもしれない。
2025年の俺は、そこで何を考えているだろうか。
きっと家族の温もりと、日本で過ごしたささやかながらも輝かしい日々を思い返すことになるだろう。
朝一番に確認するスマホの日付が変わっているのを見るたびに、なんともいえない焦燥感に襲われる。
今の生活を手放したくない、日本を離れたくない。
どれだけ阻んだところで、それでも2025年は必ずやってくる。着実に、ゆっくりと。
差し迫る時間は、俺に与えられた猶予を徐々に減らしていく。
決して歩を緩めることなく、惨たらしいまでに無機質な顔をして、俺をこの世界から抹消してしまう。
だけど1年後の未来は、1年前の自分が承知の上で選んだ道で、もはや誰かのせいにすることもできない。
だからこそ、今日を大事にして、精一杯生きなきゃ。
1年後の自分へ、まだまだ先は遠いけど、なんとか踏ん張ってほしい。
2年後の自分へ、あと数ヶ月の徴用に、もう少しだけ耐えてほしい。
そして3年後、俺は必ず戻ってくる──今の自分とは見分けもつかないくらいめっきり成長を遂げて。

6/24/2024, 11:54:12 AM