→短編・記憶は記録ではない。
実家からアルバムが届いた。
昨今の写真といえば、スマホのファイルに格納したままということも多い。しかし私の幼い頃は、まだデジカメが主流で、そこから良いものをピックアップしてアルバムを作ったものだった。
レトロなふわふわした手触りのアルバムの茶色い表紙をそっとなでる。それだけで懐かしい思い出が、脳裏にワッと押し寄せてきた。飼っていた犬のこと、大好きだったワンピース、長い髪を三つ編みにしていたこと。夏休みの祖父母の家……。
遠い昔に思いを馳せながら、私はアルバムをめくった。そこには懐かしい風景と、幼い私……?????
あれ?
私、こんなに鼻が低かったっけ?? それに思い出の自分よりも手足が短いぞ。三つ編みも思ったほど長くない。柴犬だと思ってたけど、リキくんってば雑種じゃん。いやいや、もちろん可愛いのには変わりないけど。
そっかぁ、思い出って知らんうちに脚色されてるんだなぁ〜。
テーマ; 記録
2/26/2025, 4:14:05 PM