「あれが、例のやつか」
とても幼く、拙い少女の声が聞こえた。
「そうだ、会話は不可能らしい」
貫禄のある、渋い男性の声が聞こえた。
近くのブランコが、風に揺られて軋んだ音を出す。
土を踏み締める、足音が鳴り響く。
ごくりと喉唾を飲み込む音が聞こえた
何かを構えた、金属音も聞こえた。
一つの足音がこちらに近づき
「大丈夫だ。そのまま目を瞑っていてくれ」
と、男性の声がそう語りかけた。
「さて、やるか。課長?」
「年上には敬語を使って欲しい物だがな。まぁいい、
戦闘開始だ!」
少女が合図を出したのと同時に、奥から、何かの咆哮が聞こえた。
それはまるで、水に溺れたような叫び声だった。
破裂音が聞こえ、何かを切る音が聞こえ始める。
それと同時に、まるで水風船が割れたような、そんな音が聞こえ続けた。
いっとう激しい音を皮切りに、戦闘音は止まる。
「まだ目は閉じててくれ!まだ…見なくていい」
男性の声が、少し遠くから聞こえた。
「心海警部?民間人の保護は任せたぞ」
幼い声がそう言った。
男性の声が近づき、この体を持ち上げる。
大丈夫だ、と言われるまで目を閉じ続けていた。
お題『ブランコ』×『水売り』
2/1/2026, 12:52:33 PM