ありがとう
これは最期の呪いの言葉だ
俺は立ち尽くした
第一発見者は俺だった。
どのくらいが経ったのだろうか
俺は床に伏していた
なんだかすごく疲れた。
未だ身体を起こさずいると芳醇な香りが香ってきた
ふと横に目をやると机の上は綺麗に片付けられていた
いたずらに扉が開いた
俺は疑いの目でそちらを見た
「にーちゃん
起きたんだ。」
そこには紘がご飯を持って部屋に入ってきた
「おう。どんくらい寝てた?」
「52時間くらいかな」
間を空けずサラッと言いやがった
「二日も面倒かけたな」
「いやいやおにぃのお世話は嫌じゃないから」
清々しい笑顔で言いやがった
俺には一つ疑問があった
「現場に来たんか?」
「行くやって言われてるのに危ないとこ行かないよ」
俺は安堵と同時に謎が深まった
「ユロって言う人が連れてきたんだよ。」
「そうか…。」
これは意外な名が出たな
あんなに面倒ごとを嫌がるユロが現場に来たんか
「あと、これを渡してって」
そう言うと紘は茶封筒を渡してきた。
「ご飯おいておくから食べてね」
飄々としながら部屋を後にした
ご飯をよそ目に封筒を開く
そこにはメモと書類とUSBが入っていた
メモには住所と電話番号が入っていた
USBを開きながら書類に目を通す
書類には何があったのかをまとめられていた。
それはもう事細かに記されていた
俺は息が詰まっていると
パソコンに映像が流れた
近くの監視カメラをまとめたものだった
何があったかを思い出すかのように
頭に浮かび上がってきた
自然に目から溢れていると
映像は終わった
一部始終が全て収められていた
俺は認めれなくて無気力に感じていた
だが、紘が持ってきたご飯が未だ白煙を漂わせていた
心の執着のつかないまま俺は
「いただきます」
合掌をし、食事をいただく
優しい日本食の味は胃に優しく温かかった
塩味を織り交ぜながら完食をした
「ごちそうさまでした」
そして、俺は電話をとった
「理音、今起きた」
「雲雀さんお疲れ様です
あの件は只今ユロとレンが任務にあたっています」
「そうか。ありがとう」
「松村さんのご遺体は回収され
鳴海寺にお骨は埋葬されました。」
「…わかった。
明日から任務に戻る。」
「了解です。休んでくださいね。」
俺は盆を持ってリビングに行く
「うまかったぞ。」
紘は目を輝かせて
「ありがとう」
「ちょっと外でてくるわ」
「気をつけてね」
俺は家を後にした
そして、待たせたな
祐樹…
辛気臭いのは嫌だよな
「ありがとう….」
2/15/2025, 10:42:57 AM