極彩色のネオンが煌めく夜の街。眠らぬ都市とでもいうのか、喧騒は絶えることがない。
それがなんとも鬱陶しく感じて、雑踏を離れ路地裏へと逃れる。
そこは華やかな表通りとは対照的に、暗く退廃的な場所であった。
ひっそりと静寂が支配し、幅の狭い通路が奥へ奥へと伸びている。
壁に貼られているポスターはどれも色褪せており、それが退廃的な雰囲気を漂わせる一因のようであった。
煙草に火をつける。
吐き出された煙は、生温い夜風にさらわれて、ゆらりと舞い上がる。
か細い光をたたえる街頭に照らされたそれは、踊るように形を変え、儚く消えていった。
テーマ【踊るように】
9/8/2024, 1:11:42 AM