悪ノ娘※捏造
海の近くのちいさな孤児院
そこに住まうは老いた修道女と幾人かの孤児
皆仲良く平和に暮らしていた
ある時修道女は病に伏した
彼女は思う
あの手紙は届いたのだろうかと
幼き少女時代
罪を犯した少女時代
海に流した小さな小瓶
羊皮紙丸め
願いを込めて
波に揺られどこまでも流れてゆく
それを見つめる自らとナイフ隠し持つ白髪の女
苗木が大木に育つ程の時が流れ
手紙の行方は誰も知らず
少女は大人になり
そして老いていった
死ぬことに恐怖は無く
しかし手紙の行方が心残りだった
しばらく時が経ち
いよいよ神の元へ召される時
孤児がひとり
「手紙の返事があるよ」
孤児がひとり
「読んであげる」
修道女が耳を傾けると
拙く優しい返事
一生懸命考えたのだろうそれは
修道女への最期の贈り物だった
「ありがとう」
修道女は優しき想いと少しの寂しさを遺しこの世を後にする
光の中で彼女は思った
もしも生まれ変われるならば_________
2/19/2025, 10:01:21 AM