お前さんが学校に来なくなってから、
空いた机を気にする人は誰もいなかった。
あまり誉められた存在感はしていなかったが、
思い返せばお前さんの顔というのは、
いつだって几帳面に眩んでいた。
人為的に造られた人間が、
また人為的に作った顔つきを湛えて、
マトリョーシカのようになったお前さんは、
堪え忍ぶような色の爪をしていたっけ。
お前さんが学校に来なくなってから、
空いた机を気にする人は誰もいなかったが、
前日ぐらいに、私はお前さんに何とかか声をかけた。
何一つ読み取れない声音に反して、
なるほど震えたつめ先だけは、
直に謳っていたんだな。
12/31/2022, 12:01:43 AM