「ごめんね」
紙に一言、そう書いてあった。
僕の彼氏は、人気者だった。
「優太!」
「あ、遥斗…」
いつも元気で明るい遥斗に、僕は惹かれていった。
「一緒にキャッチボールしよーぜ!優太!」
「あ、うん…」
こんな暗い僕にも明るく接してくれる。
唯一の友達だ。
そんな彼に、言った。
ある冬の日。
「僕、遥斗のこと好きかもしれない。」
雪に紛れて落ちていく僕の言葉。
「え…」
遥斗は顔を真っ赤にして、僕を見ていた。
「ま、マジ…で…?」
「うん。」
大きく頷くと、遥斗は嬉しそうに微笑んだ。
「じゃ、俺たち両思いってことだな!」
「!」
遥斗も、僕のこと…
嬉しかった。
なんでも出来そうなくらい、体が軽かった。
でも、ここから苦しくなった。
「遥斗…怪我してる、大丈夫…?」
「ん?あぁ、大丈夫!」
日に日に怪我が増えていく遥斗。
明るく笑う彼だけど、僕は知ってる。
「そ…っか、これ、絆創膏。」
「ありがとな!」
これくらいしかできない。
こんなことしかできなかった僕は自分を恨んだ。
「なんで…」
そんなやり取りがあった数日後。
遥斗は、自殺した。
もう最愛の人はいない。
「ごめんね、なんて…」
僕はこれからどうやって生きていけばいいんだ。
「置いていかないでよ。」
僕は目から涙がこぼれ落ちた。
5/29/2024, 1:44:53 PM