saiki.k

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「いっーーぽっ!」

俺の後ろをちょっと遅れて歩いていた君が突然ジャンプして俺の横に並んだ。

「なに?」
「一歩追いついた。これで並んだよね、君の誕生日まで」

ああ、確かに。
俺は笑って君の手を握る。真昼間。人通りもそこそこある。君はギョッとした顔を浮かべて俺を見上げた。

「ちょっとっ、」
「なに? 良いじゃん、歩こ。ずっとこうして。先まで――生まれてくれてありがとう」

次に俺の誕生日が来てまた君を追い越しても、俺たちはただまっすぐに共に隣を歩いていく。

君は一瞬泣きそうに顔をくしゃりとして、それから笑った。
俺の手を強く握り返してぶんぶん振りながら、もう大好きなんだから!と叫んだのだった。




▼距離





12/1/2023, 3:40:26 PM