世界の終わりに君と
世界の終わり。
(( ____ぁ、しぬなこれ____ ))
車が自分目掛けて走ってきた時、そう直感した。
゛ドン゛ !
大きな音と共に私は宙を舞う。
初めて、太陽に近付けたなー…
と思った。
今でも思う、呑気だなと。
体に大きな衝撃が走る。
私は重力に逆らえずに落ちたのだ。
体が地面に打ち付けられ、真っ白でお気に入りだったワンピースが真っ赤に染っていく。
((嗚呼、せっかく今日はお洒落したのに。台無しじゃん。))
視界が赤く塗りつぶされていく。
______私が死んだから、゛私の世界゛は終わりを告げる。
゛私の生きた世界゛は、終わってしまう。
貴方との思い出も、全部゛ここ゛に置いて、
旅立ってしまう______
_________嗚呼、そっか。
君が現れたのは数日前だ。
真っ黒なパーカーの服を着て、フードを深く、深く被った貴方。
貴方は必ず゛死人が出た場所゛に現れた。
゛事故があった場所゛に君はいつも駆けつけた。
ただ、冷たい目線で。
そんな貴方に私は惚れた。
でも、いくらこの街の隅々を探しても、貴方を見つけることは出来なかった。
そこで私は気づいた。
_______ 死人さえ出れば、貴方に会える
と。
___________連続殺人事件の犯人は私。
全て、あなたに会うために。
あなたとお話がしたい。
周りの音も目も、奪われた時
ただ、貴方のその冷たい顔にうっすらと三日月を描くようにして笑ってるあなたの顔が
私が最後に見た世界の終わり。
6/7/2023, 11:05:54 AM