海月は泣いた。

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幸せとは


予定がない午後。窓から射す昼下がりの白い光。電気を付けなくても明るい昼間の部屋。猫と一緒にする昼寝。家の窓から見る小さな花火の音。冬の朝の匂い。病み上がりのスーパーカップ。車窓から見える海。計画性のない旅行の予定。部活帰りの夜道。貴方の楽しそうな顔。貴方を愛す声。貴方が愛されている世界。貴方が見せてくれる景色。貴方が見ている世界を、ほんのちょっと見せてくれること。
…ああ、やっぱりだめだ。気づいたら僕はいつも貴方のことばかりになってしまう。どんなに日常の眩しさを切り取ったって、貴方を想う切なく苦しい程の愛には負けてしまう。僕の幸せは、貴方の幸せだよ。何だか在り来りな言葉だけど、それだけが全てで、それ以外にぴったりと当てはまる言葉を僕は知らない。世界は貴方を思ったより愛してるってこと知らないでしょう。貴方はいつも不幸そうにしてる。柔い肌に優しい睫毛の影を落として、すらりと華奢な肩を小さく丸めて、自信なさげに歩幅を狭め窮屈そうに歩き、綺麗な鈴のような声を泣きそうに揺らす。世界はこんなにも貴方を包む光たちで溢れているのに、貴方はそれが見えていない。そんな弱くて脆い貴方が笑えたらこれ以上ないって確信してるんだ。だから、僕は今日も貴方への愛を叫ぶんだよ。聞こえなくたって届かなくってそれでいい。いつか貴方が気まぐれに見た満天の空のたった一つの星でいいんだよ。太陽みたいに貴方を照らすことができなくても、月みたいに貴方が見る唯一じゃなくてもいいんだよ。ほんの少し、ほんの少しだけ貴方の感情のきっかけになればいいんだ。星だって、一個じゃ気づけないかもしれないけど、たくさん集まれば壮大な景色となるから。だからね。つまり、何が言いたいかというと。貴方が何より大好きだって、話!

1/4/2024, 1:35:51 PM